住宅街の一角、門地に建つこちらの邸宅では、狭い前面道路にもかかわらず車の通り抜けが多く、小さなお子さまの安全を守るため、玄関前に飛び出し防止の門塀を設置したいというご要望をいただきました。
設計にあたっては、単に塀で囲うのではなく、周囲の視線や通行車両の存在を自然に確認できるよう、柔らかなRラインを描くフォルムを採用。さらにスリットを多く設けることで、空間に抜け感をもたせ、安全性と開放感を両立させました。視界を遮りすぎず、周囲との緩やかなつながりを感じられるよう、細部にまで配慮しています。
デザインテーマは、”シンプルで温かみのある北欧スタイル”。門塀には真っ白な塗り壁を施し、やわらかな陽光を受けて表情を変える、優しい佇まいに仕上げました。足元には素朴な質感を持つレンガ調の床材を敷き詰め、ナチュラルであたたかみのある北欧の街並みを彷彿とさせる雰囲気を演出。アクセントには、繊細なデザインのアイアン製門扉を組み合わせ、可憐さと凛とした存在感をプラスしています。
直線的で無機質になりがちな安全対策のデザインに、曲線美と自然素材のぬくもりを取り入れることで、日々の暮らしに優しく寄り添う空間が完成しました。家族の安心を守りながら、街並みにも優しく調和する、北欧らしい温かさに包まれたファサードデザインです。